金曜の夜、モネ展へ|アーティゾン美術館と学割体験

金曜日の夜、仕事が終わったあと、どんなふうに過ごしていますか?

まっすぐ家に帰るのもいいけれど、「今日はちょっと違う時間を過ごしたいな」と思う日もありますよね。

そんなときの選択肢のひとつが、美術館です。
静かな空間で作品と向き合うだけで、不思議と気持ちが整っていきます。

今回は、アーティゾン美術館で開催中の『モネ展』(〜2026年5月24日)の感想です。

公式サイト
https://www.artizon.museum/exhibition_sp/monet2026/

金曜夜、美術館へ向かう

モネ展入り口のパネル

クロード・モネ《戸外の人物習作-日傘を持つ右向きの女》 1886年 
オルセー美術館蔵

仕事を終えて、そのまま美術館へ。
「今日はモネに会いに行く!」そう思うだけで、足取りが軽くなるから不思議です。

予約した入場時間は18時30分。気合いを入れすぎて15分前に到着してしまいました。
1階の『ミュージアムカフェ』に入りたい気持ちを抑えて、ビルの合間にあるベンチでひと休み。
“ぽっかり空いた時間”も、悪くありません。

さきほどまで仕事をしていたのに、少しずつ気持ちが切り替わっていきます。
夜のざわめきの中にいながら、自分の内側は静かになっていくような感覚です。

社会人大学生になって、良かったと思えることの一つは、学割が使えること。
ここ、アーティゾン美術館では学生が無料なのです。
受付では、事前予約したQRコードと学生証の提示が必要です。おそるおそる学生証を提示すると、表裏をしっかりチェックされました。

「どうぞこちらへ」

さあ、ここから先は、モネの世界です。

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モネ展の魅力

アートを仕事にしているわけではないけれど、これまでよく美術館へ足を運んでいます。

自然をテーマにした淡い色合いの風景画に惹かれ、20代前半でパリのオルセー美術館やオランジュリー美術館を訪れ、さらにジヴェルニーでは、モネが晩年を過ごした庭にも足を運びました。

機会があれば、国内の企画展へ。そのたびに印象に残るポイントは少しずつ異なります。今回のモネ展は、オルセー美術館所蔵の約90点(うちモネ作品41点)に、国内の作品を加えた合計約140点という見ごたえのある内容です。

さらに、モネの没後100年を記念し、創作活動の背景を辿る展覧会として企画されています。

ここからは、印象に残った作品の一部を紹介します。

クロード・モネ《かささぎ》

クロード・モネ《かささぎ》1868-69年、オルセー美術館蔵

雪に覆われた柵の上に一羽のカササギ。薄い青で影を表現していますね。

クロード・モネ《サン=ラザール駅》

クロード・モネ《サン=ラザール駅》 1877年、オルセー美術館蔵

この時代にガラス屋根のおしゃれな駅があったんですね。

クロード・モネ《雨のベリール》1886年、石橋財団アーティゾン美術館蔵

クロード・モネ《オランダのチューリップ畑》1886年、オルセー美術館蔵

クロード・モネ《雨のベリール》

クロード・モネ《雨のベリール》1886年、石橋財団アーティゾン美術館蔵

「オランダのチューリップ畑」と同年でありながら対照的な作品です。


同じ画家が描いているのに、時代や場所、光の違いによって、まるで別の絵画のように”空気感の変化”を感じ取れます。

クロード・モネのルーアン大聖堂

クロード・モネ 
左《ルーアン大聖堂 扉口 朝の太陽》
右《ルーアン大聖堂 扉口とサン=ロマン塔 陽光》ともに1893年、オルセー美術館蔵 

大聖堂を主題にした作品は30点もあるそうです。

クロード・モネ《アルジャントゥイユのセーヌ川》

クロード・モネ
《アルジャントゥイユのセーヌ川》 1873年
グルノーブル美術館蔵(オルセー美術館からの寄託)

のどかな秋の風景。赤屋根の建物がアクセントになっています。


今回の展覧会ではモネの作品だけでなく、ピエール=オーギュスト・ルノワールやアルフレッド・シスレーといった印象派の画家たちの作品も展示されています。
さらに歌川広重の東海道シリーズまで!

西洋の印象派と、日本の浮世絵。描き方は異なるものの、光や風景の捉え方に共通するものを感じました。

モネは浮世絵のコレクターとしても知られていて、晩年を過ごしたジヴェルニーの邸宅には、北斎や広重の作品が飾られています。

クロード・モネ《ノルウェー型の舟で》1887年頃、オルセー美術館蔵

クロード・モネ《ジヴェルニーのモネの庭》1900年 オルセー美術館蔵

紫やピンクのアイリスが広がる庭が素敵!

クロード・モネ《ノルウェー型の舟で》

クロード・モネ《ノルウェー型の舟で》1887年頃、オルセー美術館蔵

しんとした静けさを作り出す水面の反射に注目しました

作品を「どう感じるか」は人それぞれ。
きれいだと思ったり、懐かしいと感じたり。
感じ方に正解は、ありません。

日常生活が少し窮屈に感じるときこそ、誰かの評価もなく、「どう感じるか」を自分に委ねられる場所を大切にしたいと思いました。

アーティゾン美術館について

アーティゾン美術館では、学生は入館無料です。
ただし対象は、学位取得を目的とした学生に限られています。科目履修生などは対象外になるため、事前に確認しておくと安心です。

今回は、事前にWebサイトで日時予約しました。
時間指定制のため「混みすぎて見られない…」というストレスが少ないのが嬉しいポイント。

展示は5階と6階。順路に沿ってフロアを移動しながら見ていくスタイルは、自然と流れに沿って鑑賞できます。

音声ガイドは、無料の専用サイトにアクセスして、自分のスマホで解説を聴く仕組み。ガイドを聞きたい人は、イヤホン必須です。

ミュージアムショップへ

展示を見終わったあとは、ミュージアムショップへ。あれこれ買いたい気持ちを抑えて、自分用とプレゼント用に厳選しました。

アーティゾン美術館内のミュージアムショップで購入したモネのクリアファイル、ジッパーバッグ、ポストカード

ポストカードや小物を眺めるたびにあのひとときを思い出して心が和みます。

ふと、『睡蓮』をモチーフに造園された西武池袋の屋上を思い出しました。あらためて、モネの絵と比べてみると、そっくりです。

 『睡蓮』をモチーフに造園された西武池袋の屋上と、《睡蓮の池、緑のハーモニー》 1899年 オルセー美術館蔵 の比較

クロード・モネ《ノルウェー型の舟で》1887年頃、オルセー美術館蔵

美術館で得られる時間

美術館にいる時間って、不思議。
ただ作品を見ているだけなのに、気持ちが整う。

何かを「しなきゃいけない」時間ではなく、ただ「感じる」ことが許されている時間だからかもしれません。

仕事をしていると、効率や結果を求められます。
でも、美術館では必要ありません。

好きとか、落ち着くとか、なぜか惹かれるとか。作品を通して、普段は意識しない自分の内側に気付きます。

だからこそ、金曜日の夜に「美術館へ行く」予定を入れると、ただ流されていく一週間に、小さな区切りが生まれます。

※この記事は2026年2月に訪問した際の体験記をもとに書いています。展覧会や休館情報は公式サイトをご確認ください。

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この記事を書いた人

環境科学を学ぶ社会人大学生
フォトやアート、自然とともにある暮らしの魅力を綴ります。

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